作曲家が作品を生み出すきっかけとかインスピレーションに興味はありませんか?
今回は各々の作曲家がそれぞれ個性的な独自の霊感の泉から汲み出した彩り豊かな名作を楽しめるプログラムだと思います。

シャブリエ 「スペイン」〜旅から生まれた名作〜
ビゼーの「カルメン」などと共に19世紀のフランス人作曲家が書いたスペイン風音楽の代表作のひとつです。実際にシャブリエ本人がスペインに滞在した時の印象を元に書かれています。ラヴェルの「ボレロ」やドビュッシーの「イベリア」など、この曲の影響を受けた名作は多いです。ピレネー山脈を超えた向こうに憧れがあるのか、太陽が強く輝くスペインを音にするのが得意な気がします。
実際にスペインに住んで音楽をしていると新しく引っ越してきたフランス人演奏家によく出会うんですが、ものの数ヶ月でスペイン語ペラペラになるくらいにマスターしてしまうので羨ましい思いを幾度もしました。

チャイコフスキー「ロメオとジュリエット」〜文学から霊感を受けた名作〜
チャイコフスキーの文学への造詣の深さは有名ですが、この曲に取り組むとその思いを一層強くします。もし時間があったら是非一度シェイクスピアの戯曲を読んでみてください。原作では何幕にもなるストーリーを忠実に追うかわりに作曲家が演奏時間にして約20分程度の楽譜の中にぎゅっと込めた「ロメオとジュリエット」とは何なのか、答えのない問いに考えを巡らせるのも大事かもしれませんね。

ホルスト「惑星」〜神秘への憧れが生んだ名作〜
「惑星」は20世紀を代表するイギリスの作曲家ホルストの代表作です。
演奏頻度の高いいわゆる「人気曲」と言えるような管弦楽曲は数ある中でこの曲は今でも指折りに大きな編成を要求する曲です。それだけに上演に持っていくまでの苦労も多いですが大編成のオーケストラで演奏する喜びを色々な曲で味わうことができると思います。
ホルストがこの曲を書くきっかけとなったのが占星術の影響、というのが個人的に興味深いです。スクリャービンという作曲家も同じような時期に神秘思想に傾倒して独特な作品を書いていきますし、そういう時代だったのかもしれませんね。