夏の全日本医科学生オーケストラフェスティバル、これまで参加したことがない方には敷居が高いと感じる面は色々あると思います。
僕も現役の頃は参加費を準備するためにどれだけバイトすればいいのか悩みに悩んだくらいですし、見知らぬ人といきなり合宿場で缶詰になって練習開始して1週間後にはもう本番というのはとにかく不安で怖いですよね。それも普段の自分のいるオケでは絶対できないような大編成の曲をやったりするわけです。
指揮者や各楽器のトレーナーの先生方と相性合わなかったらどうしようとか、こわい先輩いたらおっかないな、とか悩みは尽きません。特に周りに既に参加したことのある先輩もいないような状況で初参加する方は全く予測できないだけに余計不安になりますよね。

ですが、少し考えてみてください。こういった悩み不安はおそらく普遍的なものと思います。ですがその中でこれまで約40年近くこのプロジェクトが続いてきたのは、不安を抱えながら恐る恐る初めて参加した先輩たちの多くが、合宿から本番を通じて医オケにどっぷりとハマり、全てを忘れて純粋に音楽に没頭する時間を仲間と共有することが本当にかけがえのない経験になると実感してきたからだと思います。少なくとも僕本人に関してはそうだと断言できます。

最近知ったのですが、聞くところによると「iOS」という疾患があるそうです。
医オケシンドローム、つまり医オケが終わって解散して、ようやく懐かしい自宅に戻ったはずなのに合宿場や本番打ち上げの場に戻って仲間との日々をまた過ごしたくなってひとりでモヤモヤしてしまう原因不明の疾患だそうです。もうお分かりのように僕も言葉こそ知りませんでしたが、この四半世紀というものこれにかかりっぱなしです。

参加を迷いながらこのメッセージを読んでおられる学生の皆さん、どうか一握りの勇気を出して申し込んでみてください。ここでしか経験できない何かが皆さんを待っているはずです。

それでは、この夏合宿場で多くの方とお会いできますように。

中田延亮 拝